メトロイドプライム #番外 サイファ / クレイドル / チョウゾアーティファクト

メトロイドプライムのチョウゾロアに登場する「サイファ」、「クレイドル」そして「チョウゾアーティファクト」。このあたりの関係はややわかりづらいです。少し整理してみましょう。

クレイドル

コンセプトアート

これが一番簡単なのでこれから。単純に「クレイドル」は「アーティファクト神殿」です。チョウゾアーティファクトの「真実」が置いてあり、メタリドリーと戦闘になるあの神殿ですね。チョウゾロアの「クレイドル」に『チョウゾの神殿「クレイドル」』とそのまま書いてあります。

チョウゾの神殿「クレイドル」が、悪魔を切り離し包み込む。12のつながりによって生まれしサイファの力は、絶対的であると信じている。 この世界の運命は、これより後アーティファクトを集める者にゆだねられるだろう。 「託されし者」がそれを知る時が近づきつつある。

ログブック「クレイドル」

ところで、クレイドルについて調べる過程で興味深いボツテキストを発見しました。掲載しておきます。

グレートポイズンを隔離シテイタアーティファクトノ集合体デアル、チョウゾサイファーハ、今ヤ崩壊シテシマッタ。小サナ像ノ中ニ潜ム可能性を恐レ、スペースパイレーツトシテ知ラレル侵入者達ハ、ソレラを破壊シヨウトシタ。シカシ、試ミハ全テ失敗ニ終ワルダケダッタ。ソノ代ワリニ、彼ラハ自分達ガ壊スコトノできナカッタアーティファクトを惑星中ニバラ撒キ、ソレゾレを離レタ場所ニ隠シタ。集結スルト、彼ラノ暗黒ノ世界ニ災イを呼ブコトを知ッテイタカラダ。彼ラガアーティファクトを恐レルノモ無理ハナイ。コノ遺跡ノ中ニハ、偉大ナ「力」ガ眠ッテイル。我々チョウゾハクレイドルトイウ寺院を作リ、アーティファクトノ結集サレタエネルギーカラ、眠ッテイルソノ「力」を吸イ出ソウトシタ。モシアーティファクトガ再ビ集メラレ、クレイドルニ再ビ戻サレルコトガアレバ、コノ息ノ詰マルヨウナ土地ニモ再ビ希望ガ芽生エルカモシレナイ。

北米版チョウゾロアの「Binding」に当たる文だと思われます。ただし、「Binding」とは原文が少し違います。おそらく北米版でもボツになった文でしょう。「Binding」は「集結」と訳されているようです。この設定ではスペースパイレーツがアーティファクトを惑星中にバラ撒いて隠した事になっています。現在の設定では逆ですね、スペースパイレーツはアーティファクトを探しています。

サイファ

我々は、この闇を閉じ込めるための力場となる建物として神殿の創造に取りかかった。 その神殿の中心に「サイファ」と我々が呼ぶ方陣が敷かれることとなる。 我々チョウゾの最大限の精神力が満ち溢れた12個のアーティファクトがこれを作り上げる。

チョウゾロア「サイファ」
サイファ

サイファは方陣です。方陣は本来軍事用語であったり数学用語であったりしますが、ここでは「魔法円」に近い意味を持っていると思われます(魔法陣とは違います)。

魔法円(まほうえん、英: magic circle)とは、西洋儀式魔術や魔女術において儀式の際に術者が入る床などに描いた円のこと。

Wikipedia「魔法円」

厳密には違うかも知れませんが、「方陣」≒「魔法円」であっていると思います。魔法円とは「悪霊を呼び出す際、悪霊から術者の身を護るための防護円」であり、「サイファ」とは少し意味の異なるものですが、「『大いなる災い』からターロンIVを護るための防護円」と読み替えれば理解しやすいと思います。たぶんですが上の画像の水色の部分がサイファだと思います。

チョウゾアーティファクト

チョウゾアーティファクト(以下アーティファクト)が実は一番解釈が難しいのではないかと思います。たぶん私が北米版のチョウゾロアを読んでしまったために混乱しているだけかも知れませんが。

アーティファクト「真実」

チョウゾロアにおけるアーティファクトは以下のようなものです。

我々は、この闇を閉じ込めるための力場となる建物として神殿の創造に取りかかった。 その神殿の中心に「サイファ」と我々が呼ぶ方陣が敷かれることとなる。 我々チョウゾの最大限の精神力が満ち溢れた12個のアーティファクトがこれを作り上げる。

チョウゾロア「サイファ」

チョウゾは、ここクレイドルに「大いなる災い」をこの世界から断ち切り、封じ込める。 いたずらに「大いなる災い」に触れようとする者を退け、封印が力を失わぬよう、チョウゾの遺志を12のアーティファクトに込め、鍵をかけ扉を閉ざす。 扉が再び開かれる事はない。 いつかこの災いが取り除かれるその日まで。

チョウゾロア「封印」

チョウゾの神殿「クレイドル」が、悪魔を切り離し包み込む。12のつながりによって生まれしサイファの力は、絶対的であると信じている。 この世界の運命は、これより後アーティファクトを集める者にゆだねられるだろう。 「託されし者」がそれを知る時が近づきつつある。

チョウゾロア「クレイドル」

我々の神殿と12の印は、この星にうがたれた穴の底へと悪魔を封じ込める。 しかし、この地に我々チョウゾの未来は見えない。 見えるのは闇の中に輝く光、ただひとつ。 チョウゾはその光に託す。 その光が輝くところ、チョウゾは共にある。

チョウゾロア「光り輝くもの」

これを見る限り、12個のアーティファクトはチョウゾの遺志であり、サイファを作り上げる力の源と読み取れます。しかし、ゲーム中ではアーティファクトを集めサイファの封印を解いています。いわば「鍵」のようなものです。パイレーツデータにもそうあります。

アーティファクトはまだ未発見だが、機能についてある程度信頼できる仮説にたどり着いた。各アーティファクトは神殿のプラットフォームに設置された、各々のトーテム像に対して呼応し、それぞれが、大きな「錠」に対する小さな「鍵」のような役割を果たしているのだ。像の数を基に推察するならば、合計12個のアーティファクトの存在が予想され、対応する像と互いに結合させるとゲートシステムを起動できるのではないだろうか。ゲートが開けばクレーター内のフェイゾン及び正体不明の生物は、我々の思うがままとなる。

パイレーツデータ「鍵」

トーテム像が「錠」、アーティファクトが「鍵」という解釈です。実際、チョウゾトーテムにアーティファクトを設置してサイファを解くのがゲームの流れです。これはどう解釈するべきなのでしょうか。

北米版的解釈

北米版の内容については上のリンクを辿ってください(新しいタブが開きます)。

北米版ではアーティファクトはサイファを構築するためクレイドルにセットされていたことになっています。スペースパイレーツが来た時に、破壊されるのを防ぐため半霊体となったチョウゾがアーティファクトを各地に散らばらせたのです(いいのか?)。それを集めるとサイファが解かれ、道が開かれます。あれ、結局サイファを解くための鍵になってるじゃん。

国際版・日本版的解釈

前述の通り、サイファの力の源であり、サイファを解く鍵でもあります。

ここでアタリマエのことに気付いたのですが、鍵って開けるためだけのものじゃないですよね。閉めるためにも使いますよね当然。サイファを作り上げる(閉める)ものであり、サイファを解く(開く)ものである。何の矛盾もなかった。そうすると北米版がちょっとおかしく見えてきますね。

あと、関係ないですが「ゲートシステム」の正式名称が気になります(アーティファクト神殿とインパクトクレーターを繋ぐテレポートゲートのこと)。

まとめ

クレイドル=アーティファクト神殿

サイファ=「大いなる災い」を封じる方陣(魔法円)

アーティファクト=サイファを構成する力の源であり、鍵